第1回 銃の扱い基本

基本 1

第1回 射場内での号令・用語(Range Commands &Terminologies)

このブログの読者の皆様でも、既にグアムや国内で射撃を経験、或いはこれから経験する予定の方々等様々と思いますが、今回はG.O.S.R.スタッフ、そして米国の軍・法執行機関等の銃器を取り扱う専門職の方々が射場内で使用する号令、専門用語について解説したいと思います。
声に出して反復訓練しましょう。

1.Firing line: ファイアリングライン=射線。 銃口の先端があり、これより前に出ていけません。
ライフルは至近では特にマズルブラスト(銃口炎)が思わぬ方向に噴出し、火傷や怪我をすることがあります。
撮影時はG.O.S.R.スタッフと事前に調整下さい。

2.Down Range: ダウンレンジ=銃口を向けても安全な、被害が最少に留まる方向。
通常は射場後方の盛り土(安土)、屋内射場の収弾トラップ、その他屋外や屋内では地面を指します。
スタッフが“Down Range!”と叫んだら、「(的の設置等で)前に行くぞ。」という合図になりますので一旦射撃を止めましょう。

3.Eye Protection(Pro): アイプロテクション=工業規格の樹脂製破砕性防護眼鏡。
実弾射撃中は薬莢や硝煙、稀に破片等が飛ぶ為、射手はアイプロを着用します。

4.Ear Protection(Pro): イヤプロ=通称ミッキーマウス型のもの、又はイヤープラグ(Ear Plug)を射撃時は装着します。
特にライフルやバレットの射撃の際は後で耳鳴りが起きない様、必ずイヤプロを装着して下さい。

5.Load: ロゥド=装弾、ライフルやピストルのマガジン(弾倉)を銃に装着する。
ショットガン(散弾銃)のマガジンチューブに実包を装弾する動作・号令を指します。

6.Make Ready: メイク レディ=チェンバー(薬室)に実包を装填する、発砲準備の動作・号令を指します。
通常は゛Load, Make Ready″と連続した動作・号令で出されることが多い。

7.Fire: ファイア=射ち方始め、射て。 火縄銃の時代の名残で、銃の射撃時の号令は現代でもファイアです。
射手自身が発砲準備が出来、サイト(照準)が合ったらトリガー(引き金)を引きましょう。

8.Cease Fire: シースファイア=射ち方やめ。
この号令が聞こえたらすぐに射撃を止めましょう。

9.Time out/Training Time Out: タイムアウト/トレーニングタイムアウト=射手の安全上の問題で射撃を続行出来ない場合
(例: 指示が理解出来ない、不安がある、イヤプロやアイプロがずれた、曇った、銃を持ち続けられない等)はこの号令を出すか、利き手でない側の手(Non Firing Hand=ノン・ファイアリングハンド)を挙げてレンジマスター/インストラクターに知らせて下さい。

10.Range is hot/cold: レンジ イズ ハット/コールド=射撃開始/終了の合図、号令。
Going hot(ゴーイン ハット=今から射つぞ)等の様にも使います。
「グアムや射場が暑い」から叫んでいる訳ではありません。

11.Make safe: メイク セイフ=銃のセイフティ(安全装置)を掛ける動作・号令。

12.Unload, Show Clear: アンロウド ショゥ クリア=脱包、安全化の動作、号令。
安全点検の為、銃のセイフティを掛け、マガジンを外し、チェンバー(薬室)から実包を抜き取り、スライド/ボルト/シリンダー等の機

13.Chamber: チェンバー=薬室、銃身後端の実包が装填される段差がついた箇所。
安全点検時は薬莢の底部が見えていないか指差し・目視点検します。

14.Muzzle: マズル※米語ではマゾゥ=銃口。 Muzzle Awareness=マズルアウェアネス、銃口の安全管理。 銃口を常に安全な方向に向けておく、人や物に指向しない様注意することを指します。

15.Magazine: マガジン※米語ではマガズィン=弾倉。
雑誌と同じスペル・発音ですが、実包を装弾する箱状の部品で金属、樹脂製、箱型や筒状等様々な材質、形状があります。

16.Trigger: トリガー※米語ではトゥリガ―=引き金。
Trigger Finger=引き金を引く指、Straight Trigger Finger=ストレイト トゥリガ― フィンガー(引き金に指を掛けずに真っすぐ伸ばしておく)等の表現も多用します。

17.Round/Ammo: ラウンド/アーモ=発射可能な実包・実弾で、弾頭(Bullet)、薬莢(Case/Brass)、雷管(Primer)、装薬(Gun Powder)が組込まれているもの。
殆どが真鍮製の為、空薬莢をBrass(ブラス)とも呼びます。

※関部を開放して銃を完全に射てない状態にします。

筆者略歴
NRA認定ファイアアームズインストラクター(日英語バイリンガル)。 軍・法執行機関・警備業等の専門職及び企業や一般の方々を対象とする様々な訓練・講習を実施。